ドット資源を大切に

うちは以前から 12 ドットや 10 ドットのフォントに心惹かれるものを感じており、漢字1文字に 16 ドットや 24 ドットも使うのは無駄の極致と思っていました。
640x480 の VGA 画面の場合、16 ドットでは 40×30文字しか書けませんが、10ドットだと 64×48文字も入り、64×48-40×30=1872文字分もの情報量が増えるのです。ただ文字の美しさを追求するだけで 1 文字あたり 16×16-10×10 = 156ドットものドット資源を費やしてしまうのはあまりにもMOTTAINAI!

…ええと(^^;)、今から思うに限られたドットの中で漢字として読めるか読めないかというギリギリの状態でデザインされたものに魅力を感じていたのだと思います。*1

学生の頃使っていたシャープの「液晶パッド Wiz」の初代機(PA-Z500)も 12ドットフォントを採用しており、手書き認識の物珍しさと合わせてよく遊んでいました。*2
この Z500は 白黒 2 階調でしたが、後継機の PA-Z800 はモノクロ 4 階調だという話に激しく心奪われ、いつかは買い換えようと心に誓いつつ店頭で触り続けていました。(<迷惑な客やな…)

…しかし Z500 は全く壊れることがなく、なかなか買い替えのチャンスはやってきませんでした。
ある日とうとう我慢できなくなって店頭に駆け込み、液晶のドットが細かくなったという最新機種の PA-Z900 を購入したところ…、細かくなった代わりにフォントが16ドットになっており、激しく萎えたのをよく覚えています。orz

他にも、シャープのノートPC「メビウス」には液晶で読み易いよう独自に開発された「LCフォント」が入っていると聞き、10ドット/12ドットのドットパターンだけを吸い出して FreeBSD で使っていたのも懐かしい話です。(数字の 1 と英小文字の l とがフォント上からは区別できず、プログラムを書く時に一時混乱したのはここだけの秘密…)

個人的な推測に過ぎませんが、12ドットや10ドットだったから成功した例、というのもあると思うのですよ。

  • Windows95 (Win3.1 の 16ドットに対して 12ドットフォントを採用したおかげで爆発的に普及)
  • ニンテンドーDS (10ドットフォントを採用したおかげで爆発的に普及)

ほらほらー。(説得力のない根拠やな… ^^;)

とまあそんなところで(ハイデフからは程遠い)ローデフ人間のたわごとでした…。

*1:もっとも当時は恵梨沙フォントのように 8 ドットのフォントも存在していましたが、読めない漢字が多くて挫折しました…。

*2:当時16ドットを採用していた Zaurus には当然のごとく見向きもしませんでした。