Robin Walker氏講演

まず、ソフトウェアというものは状態変数が無限にあるため、正しい解決というものがはっきりせず客観的な評価を下すこともできないという問題を挙げ、それに対し Valve Software が行なっている協調的反復(Collaborative Iteration)という開発プロセスが紹介されました。
その中でも Playtest と呼ばれる手法が興味深かったです。毎週ラフな形で 15 分間ゲームをプレイし、その結果を次週の仕事内容の優先付けに反映させ、そのサイクルを完成まで繰り返す、というものでした。
例として、Playtest の時のスクリーンショットを毎回同じ場所で撮影し、ゲーム画面の変化をムービーにしたものが上映されました。最初はテクスチャに素材番号が描かれた仮のものだったのが、徐々にクォリティが上がっていく様子が手に取るようにわかりました。途中、電柱や土嚢などの位置があちこちに移ったりしていましたが、ゲーム中の隠れ場所に適切な場所を試したりしていたそうです。
Playtest のメリットとして、

  • ゲームデザインに関する不毛な議論を回避できる
  • 各要素について、導入によるメリット/デメリットが測りやすい

というのが挙げられていました。議論の回避というのはいいですね。とりあえず導入して結果を見てみよう、というのがとても前向きです。(プログラマは大変かも知れませんが…)
ただ、こういうのは FPS という基本的なゲームシステムが完成されているからこそできる事なのでは…とも思いました…(^^;)。